Photo:South China Morning Post/gettyimages
自分の部下が大きな失敗をして損失を出したとき、一流のリーダーはどう対処するのだろうか。ファーストリテイリングの柳井正代表取締役会長が大きな損失を出した部下にかけた言葉は意外なものだった。(やさしいビジネススクール学長 中川功一)
異端の野菜販売事業を手掛け
大赤字を出した「意外な人物」
今から20年ほど前、ユニクロなどを運営するファーストリテイリングが野菜のオンライン販売ビジネスを開始したことがあった。意外に思う人も多いだろう。
今だったら、また結果も違っていたかもしれないが、当時の社会環境からすれば、時代を先取りしすぎたビジネスだったといえる。
当時大学生であった私の素人目にも、そんな事業うまくいくはずがないと映ったが、案の定、巨額の赤字を計上して、ユニクロは数年でオンライン野菜販売事業から撤退することになった。
さて、皆さんはそのオンライン野菜販売事業を企画し、責任者を務めた人物についてご存じだろうか。
その人物の名は、柚木治(ゆのき・おさむ)。
ファーストリテイリングの新ブランドGUの立ち上げに携わり、代表取締役を務めた15年の任期で、同ブランドをユニクロに次ぐ同社第2の事業に育てた人物である。
柚木氏は、伊藤忠商事、GEキャピタルを経て99年にファーストリテイリングに入社した。翌2000年には執行役員に就任。しかし、同氏は次のステップで大きくつまずくことになる。
2002年、ファーストリテイリングの新規事業として他の役員の反対を押し切り、オンライン食品直販事業のエフアール・フーズを立ち上げ、代表取締役社長を務めた。だが、先述の通り時期尚早で失敗。26億円の赤字を計上することになったのだ。
信賞必罰を信条とする柳井正氏に対し、柚木氏は辞表を提出する。
皆さんの会社なら、ここで何が起こるだろうか。
多くの会社において、このようなことがあれば柚木氏は会社にはもういられないだろう。すんなりと辞表が受け取られるか、あるいは慰留されたとしても本人として居残りづらく、固辞して会社を辞めるのが常だろう。
しかし、ファーストリテイリングは、柳井正は違ったのである。







