誰もが一度は英単語をたくさん暗記した経験があるだろう。しかし「たくさん覚えても、全く話せるようにならなかった」と答える人が大多数だ。そんな多くの英語学習者から絶賛の声を集める本が『話す力が身につく5分間英単語』だ。1トピック5分の英単語トレーニングで、実践的なスピーキング力やリスニング力を向上させることができる。著者は、英字新聞編集長を10年以上務める高橋敏之氏。一般的な英単語集には記載されていない「ニュアンス」や「実際の使われ方」を丁寧に解説した。本稿では本書から特別に一部を抜粋して紹介する。
「時間が遅い・順番が遅い」意味の違いで2パターンの比較級変化
次の単語は、すべてlate(遅い、遅く)の比較級・最上級。以下のように理解しよう。
・「時間が遅い」:late-later-latest
・「順番が遅い」:late-latter-last
このように、lateは「遅い」は「遅い」でも、「時間が遅い」のか「順番が遅い」のかによって活用が異なる。
(1)later
earlierの逆で、主に「より遅く、後で、後ほど」という副詞として使われる。
「より遅い」という形容詞の意味もある。
(2)latter
former(前者の、前者)の逆で、「後者の、後半の、順番が遅い方の」という形容詞、または「後者」という名詞として使われる。
(3)latest
lateの最上級だが「時間が遅い」という意味は薄れて、主に「最新の」という形容詞として用いる。
(4)last
「最後の」「最後に」という形容詞・副詞として用いる(原義は「順番が最も遅い」)。
last night(昨夜)、last month(先月)のように「昨~、先~、前回の~」のような使い方もする。
(1)later の例文
“See you later.” “Later, Paul.”
「またな」「じゃあな、ポール」
◆ Later. だけでも別れの挨拶として使える
The horse died a few days later.
その馬は数日後に死亡した
◆ 〈ミス防止〉a few days laterのような〈期間+later〉(~後に)は過去の文脈で用いるため、I’ll call you a few days later.(数日後に電話します)のように未来を表す際には使わない。その場合はin a few days(数日後に)を使おう
We'll talk about it later today.
それについては今日この後お話ししましょう
◆ later today(今日この後)、later this week(今週この後、今週中に)、later that night(その夜その後)などのパターンを押さえよう
The event was postponed to a later date.
そのイベントは後日に延期となった
◆ 形容詞のlaterは〈later+名詞〉の形で用いる
(2)latter の例文
I prefer the latter offer to the former one.
前者よりも後者の提案の方が私はよいと思う
The name gained popularity in the latter half of the 20th century.
その名前は20世紀の後半に人気が高まった
Of these two options, the client chose the latter.
2つの選択肢のうち、クライアントは後者を選んだ
(3)latest の例文
Her latest book has hit the shelves.
彼女の最新刊が発売された
I’ll be home by nine at the latest.
遅くとも9時までには帰るね
◆ at the latestで「遅くとも」
(4)last の例文
He was last seen chatting with a man near the school.
彼が最後に目撃されたのは学校の近くで男と話しているところだ
She hasn’t been feeling well for the last few weeks.
彼女はここ数週間体調がよくない
Troy is the last person I would trust.
トロイは、私が最も信頼しない人間だ
◆ 「最後の」から転じて「最も~ない」という意味でも使う
(本稿は『5分間英単語』から抜粋・編集したものです。)