地中海食と運動の組み合わせは
脂肪の燃焼と筋肉量の増加に有効
色とりどりの野菜や果物、健康的な脂質、脂肪分の少ないタンパク質が豊富な地中海食と、定期的な運動およびカロリー制限の組み合わせは、高齢者の腹部の脂肪(内臓脂肪)の減少と筋肉量の増加に役立つことが、スペインで実施された研究で明らかにされた。バレアレス諸島保健研究所(スペイン)のDora Romaguera氏らによるこの研究結果は、「JAMA Network Open」に10月18日掲載された。
内臓脂肪は炎症の原因となることが知られており、心疾患や脳卒中、糖尿病、特定のがんと関連することも示されている。一方、筋肉量は加齢とともに減少することが知られており、筋肉量が減少すると、筋力低下や運動能力の低下、転倒の可能性が高くなる。
今回の研究では、過体重または肥満(BMIが27〜40)でメタボリックシンドロームの中高年1,521人(55〜75歳、平均年齢65.3歳、男性52.1%)を対象に、減量のための生活習慣への介入が、全体的な体組成と内臓脂肪にもたらす効果が検討された。
対象者は、地中海食を摂取し、カロリーを30%カットし、運動量を増やす介入群(760人)と、地中海食の摂取に関する助言だけを受ける対照群(761人)にランダムに割り付けられた。介入群には、加工食品、肉類、バター、砂糖の摂取を抑えて全粒穀物の摂取量を増やすことと、最終的には週6日、1日45分以上のウォーキングを目標に、段階的に有酸素運動の量を増やすことが勧められた。主要評価項目は、介入から3年間での体組成(体脂肪、筋肉、内臓脂肪)の変化量とされた。