その結果、試験開始から3年後、介入群では対照群に比べて、体脂肪と内臓脂肪が大幅に減少した一方で、筋肉量は増えていることが明らかになった。両群での1年後時点と3年後時点での群間差はそれぞれ、体脂肪で−0.94%(95%信頼区間−1.19〜−0.69)と−0.38%(同−0.64〜−0.12)、内臓脂肪で−126g(同−179〜−73.3)と−70.4g(同−126〜−15.2)、筋肉量で0.88%(同0.63〜1.12)と0.34%(同0.09〜0.60)であった。
また、1年後時点と3年後時点で体組成に5%以上の改善が認められた対象者の割合は、対照群と比べて介入群では、体脂肪で13%と6%、筋肉量で11%と6%、内臓脂肪で14%と8%多かった。
地中海食を実践した人は
カロリーバランスを良好に保てる
米モンテフィオーレヘルスシステムで臨床栄養サービスのディレクターを務めているCewin Chao氏は、この研究を「野心的でエレガントな研究」と評する。同氏は、「質の高い食事を摂取し、運動を行い、摂取カロリーを減らせば、体脂肪、特に臓器を取り囲む腹部の危険な脂肪が減り、筋肉量が維持されるのはある意味当然の結果だろう。こうした努力は、3年という節目で報われるようだ」と述べている。
米ニューヨーク大学の栄養学、食品学、公衆衛生学分野の元教授であるMarion Nestle氏も、「摂取カロリーの削減と運動量の増加に減量効果があることは確実だ」と話す。同氏は、「この研究で地中海食を実践した人は、3年にわたって摂取カロリーを抑え、カロリーバランスを良好に保つことができている。このような食事スタイルは、あらゆる面での健康増進と関連しており、強く推奨される」と述べている。(HealthDay News 2023年10月24日)
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