米中央軍は2016年12月8日、次のような声明を出した。「有志連合がモスルの病院を攻撃」。声明によれば、過激派組織「イスラム国」(IS)が「この病院を作戦の拠点および指揮統制本部として使用していた」という。このため米主導の有志連合は、この病院を奪取するために戦っていたイラク軍を支援して精密照準攻撃を実施した。この話の本筋とスキャンダラスな点は、米軍がテロリストたちの隠れていた場所で彼らを攻撃したということではなく、そもそもテロリストが自分たちの避難場所として病院を使っていたということだ。「モスルの戦闘でISが病院を拠点に使用」というのは、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)の発表文の見出しだ。HRWは「軍隊も武装集団も医療施設を占拠してはならない。これら施設の保護対象としての地位を損なうことになる」と説明した。
【社説】ガザ・シファ病院の戦い巡る矛盾
ハマスが地下を拠点化、患者の退避認めず
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