「自力整体」とは、整体施術のプロの技法を自分におこなうメソッドです。現在約15,000名が実践し、鍼灸、整体、ヨガの要素を構成した動きで、痛み、コリ、不定愁訴を解消していきます。著者の矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語ります。そのメソッドを紹介したロングセラーの『すごい自力整体』に続き、「もっと知りたい!」の声にお応えして『すぐできる自力整体』が登場! 3分以内でできる「悩み別」最新メソッドや、「驚くほどほぐれる4つのコース(動画つき)」を収録。
本書より一部抜粋・編集し、その中身を紹介しましょう。
監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
(写真/榊智朗 構成/依田則子)

【整体プロが教える】体が「重だるい」時やってみて。一瞬でスッキリする方法

「重だるさ」の原因は、体のよどみ?

 東洋医学では、「痛みを発する場所は『気』が滞っている。そこを流せば痛みは消える」と教わります。「気」とは、人間の体を動かすエネルギーのようなもの。血液やリンパの流れに沿ったものと伝えられています。
「気・血・水」の三本柱が、私たちの健康を支えていますが、「気」が低下すると、「血」「水」のめぐりも悪くなり、痛みや不調が発生するとされています。
 なんとなく「重だるい」と感じる時は、「気・血・水」のめぐりが悪いサインです。

「気」が流れる筋道は「経絡」(けいらく)と呼ばれ、全身に12本存在します。経絡は体中をめぐる川の流れのようなものだと考えるとわかりやすいでしょう。この経絡の流れが滞ると、よどんだ場所に邪気(病をおこす悪い気)が溜まり、そことつながる経絡上に不調が出ると考えます。この邪気を押し流すには、経絡を刺激して、せき止められている流れを開放することです。
 これをおこなうのが自力整体です。いつでも自分で「気・血・水」の渋滞を解消する方法を知っていると、とても便利です。

 今回は、『すぐできる自力整体』の中から、一瞬でよどみを解消して、体がラクになるワークを紹介しましょう。自律神経の乱れを整え重だるさを解消したり、高血圧の改善にも役立ちます。

一瞬でスッキリ!「井穴(せいけつ)のツボ押し」のワーク

 画像を見ながらおこなうとわかりやすいでしょう(*画像は『すぐできる自力整体』より)

 

【整体プロが教える】体が「重だるい」時やってみて。一瞬でスッキリする方法

【井穴のツボとは?】
自律神経の乱れを整えるツボ。手の指先すべてにある。爪の生え際の下両脇あたりにある。

【手順】
◆井穴のツボを、きゅ~っと指圧する(10本の指すべて)。親指の腹と、人差し指の横の骨ではさむと圧がかかりやすい。
◆指圧されている方の手をユラユラとゆすると効きやすい。

『すぐできる自力整体』では、この他にも、整体プロの技法を使って、コリや痛み、ゆがみを解消するワークを多数掲載しています(★35分の動画も収録)。

【整体プロが教える】体が「重だるい」時やってみて。一瞬でスッキリする方法矢上 真理恵(やがみ・まりえ)写真左
矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見て、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約15,000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』(ダイヤモンド社)がある。

監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)写真右
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約15,000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。 写真/榊智朗