むくみや便秘で体が重い、だるい、痛みやコリがつらい、熟睡できない……、そんな悩みを解決してくれるのが「自力整体」。整体治療家の手技を自分におこない体の渋滞をとりのぞく人気メソッドだ。現在、若い世代から高齢の方まで約1万5000人が実践している。『すごい自力整体』の著者・矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語る。本稿では、「体の詰まりを一瞬で解決するワーク」について本書より一部抜粋・編集し、その中身を紹介する。(構成/依田則子、写真/榊智朗)
監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家

いつも重だるい人に共通する「たった一つのクセ」とは? 整体プロがすすめる体スッキリワーク

体の詰まりを一瞬で解決するワーク

「自力整体」とは整体治療家がおこなう手技を自分でできるように改良したもの。筋肉をゆるめ、その奥の関節のズレや引っかかりを解消し、骨格を整え、コリや痛みを解決します。代謝もよくなり便秘も解消、スッキリ軽い体を取り戻します。

「自力整体」は、私の父・矢上裕が鍼灸師・整体治療家として活動するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように、研究・改良を重ね、1989年に完成。兵庫県西宮市で教室を開講すると、その回復力はクチコミで広がり、さらに書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が訪れるようになりました。

 現在、全国約500名の指導者のもと、1万5000名が学んでいます。

「自力整体」の教室を訪れる生徒さんの生活習慣をうかがうと、ほとんど痛みや不調は日頃の姿勢のクセがおもな原因だとわかります。

 とくに最近はスマホの見すぎでストレートネックになり、頭の位置が本来あるべき胴体中心から前側にズレている方が多いのです。前に倒れている頭を必死に支えようと首、肩、背中の筋肉は緊張。やがて血行不良になり、痛みやコリが発生するというわけです。

 何より大切なのは、日頃の姿勢を見直すことです。

 今回は『すごい自力整体』から、「立っておこなう脇のばし」のワークを紹介しましょう。

 この「自力整体」は、「血液」や「気」の渋滞をいっきに解消する動きです。とくにストレートネックで固まっている、首、肩、背中のコリをいちはやく取り除きたい方におすすめです。

ワーク名:立っておこなう脇のばし
(*なるべく画像をみながらおこないましょう/画像『すごい自力整体』より)

ねらい:肩の後ろや肩甲骨周辺をほぐす

いつも重だるい人に共通する「たった一つのクセ」とは? 整体プロがすすめる体スッキリワーク

1 両手をテーブルにのせる:両手を肩幅に開いて、テーブルにのせる。足も肩幅に開く。(テーブルとの距離は、自分のやりやすい距離で)

いつも重だるい人に共通する「たった一つのクセ」とは? 整体プロがすすめる体スッキリワーク

2 ゆっくり頭を下げる:ふ~っと息を吐きながら頭をゆっくりと下げ、お尻を左右にゆすったり、胸を上下に動かす。*硬い人は、ひざを曲げてもOK

ポイント:肩や脇腹がのびて、ほぐれていくのを感じましょう。お尻を左右にゆすったり、胸を上下に動かすと、より気持ちよくほぐれます。

いつも重だるい人に共通する「たった一つのクセ」とは? 整体プロがすすめる体スッキリワーク

3 後ろ向きに立ち両手をテーブルへ:次に、後ろ向きに立ち、両手を肩幅に開いて、テーブルの上に置く。足も肩幅に開く。手も足も肩幅がきつい人は、もう少し幅を広げてもOK。

ポイント:テーブルとの距離は自分のやりやすい距離に

いつも重だるい人に共通する「たった一つのクセ」とは? 整体プロがすすめる体スッキリワーク

4 ゆっくりお尻を下げる:ふ~っと息を吐きながら、お尻をゆっくり床の近くまで下げる。頭を下げて、お尻を上げ下げしてゆする。ムリはしないように。

ポイント:頭は下げて、お尻を上げ下げしましょう。

5 自分のペースで1~4を繰り返す。

ポイント:高さがあるテーブルや、テーブルにおいた両手の幅を狭くすると、より腕や肩ののびを感じられます。

『すごい自力整体』では、この他にも、整体プロの技法を使って、コリや痛み、ゆがみを解消するワークを多数掲載しています。(★一部動画でもご視聴いただけます)

いつも重だるい人に共通する「たった一つのクセ」とは? 整体プロがすすめる体スッキリワーク矢上 真理恵(やがみ・まりえ)写真左
矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。

監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)写真右
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『DVDで覚える自力整体』『DVD3分から始める 症状別 はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。 写真/榊智朗