米政府は今週、イスラム組織ハマスなどのパレスチナ武装勢力がガザ最大の病院施設に拠点を置き、軍事作戦を実施しているとの見解を示した。この判断を下すにあたり、政府は病院に潜む戦闘員の通信を傍受していた。事情に詳しい複数の関係者が15日、明らかにした。 関係者によると、この「シグナル・インテリジェンス(信号情報)」はここ数週間で米政府が収集した情報の一部。ホワイトハウスと国防総省はこうした情報に基づき、ハマスと「イスラム聖戦」がシファ病院を「軍事作戦の隠蔽(いんぺい)や支援、人質拘束の手段として」利用しているとの見解を14日に初めて公表した。 事情に詳しい関係者は、シファ病院に関する米国の機密情報について詳細な説明は避けつつ、それが複数のデータの流れに基づいており、イスラエル政府とは関係なく独自に収集したものであると強調した。 ある米当局者は政府の見解について、「さまざまな情報源に基づいた米国の情報だが、情報源や収集方法に言及することはできない」と述べた。 米当局者によると、政府はシファ病院におけるハマスの活動について詳細を特定できていない。活動の規模や範囲、戦闘員が活動するのは病院内なのか、地下なのか、あるいは両方なのかなどは不明だという。なお、米政府はガザ地区の他の病院に関する機密情報も入手しているとしている。 イスラエル軍は15日、シファ病院に突入して施設内の捜索を開始した。イスラエル軍の高官は病院の敷地外から攻撃を仕掛けたハマス戦闘員4人を殺害したと発表した。ハマスが病院を拠点に活動していたことを示す武器や「確実な証拠」を発見したと述べたが、証拠は示さなかった。 ホワイトハウスはコメントの要請にすぐに応じなかった。国防総省はコメントを控えた。
米、ハマスの通信傍受していた 病院軍事利用巡り
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