「エネルギー転換」に現実の厳しさがのしかかっている。  複数の洋上風力発電プロジェクトが中止となり、再生可能エネルギー企業の株価は大幅安となっている。米国では電気自動車(EV)需要の低迷を受けて、自動車メーカーがEV計画を縮小している。  一方、巨額の利益を上げている石油・ガス企業は大型買収に相次いで乗り出し、化石燃料が廃れるのはまだ先という考えを強力に推し進めている。温暖化ガスの排出量は今年、過去最高を記録すると予想する研究者もいる。  「エネルギー転換を簡単に、あるいはすぐに解決できる方法はない」。