外国人の米国債への飽くなき欲求はもはや存在しない。米政府にとっては悪いニュースだ。米国債市場は大きな需給変化の真っただ中にある。連邦準備制度理事会(FRB)は毎月約600億ドル(約9兆円)のペースで保有資産を減らしている。かつては重要な需要の源となっていた海外の買い手、特に中国と日本は最近ではあまり当てにできなくなっている。一方、供給は爆発的に増えている。米財務省は今年、純額2兆ドルの国債を新たに発行しており、2020年の新型コロナウイルス流行時を除けば過去最高の発行額となる。「米国債の発行は大幅に増えているが、外国からの需要は増えていない」と、米外交問題評議会のシニアフェロー、ブラッド・セッツァー氏は指摘する。「特に日本と中国はこの先、買い越しとはいかないようだ」