米ユナイテッド航空は膨大な旅客データを活用し、企業が的を絞った広告を打てるようにすることを検討している。事情に詳しい複数の関係者によると、こうしたターゲティング広告の一部は、ユナイテッドの機内エンターテインメントシステムや、航空券予約やチェックインで使用するアプリに表示される可能性がある。同社はまだ決定を下しておらず、ターゲティング広告事業の立ち上げを見送る可能性もあるという。航空会社は長年にわたり、旅客が座席から離れられないことを利用して多くの広告を表示してきた。パーソナライズされた広告を提供すれば、ユナイテッドの広告事業は大幅に拡大すると一部の関係者は指摘する。ユナイテッドは昨年の輸送旅客数が計1億4800万人に上るなど、米国の航空大手。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が確認したプレゼンテーションによると、ユナイテッドが広告目的で旅客データを活用する場合、エンターテインメント企業などの広告主が自社製作の映画を旅客に推奨するケースなど想定されている。ユナイテッドはこの旅客が広告主のテーマパーク付近で休暇を過ごすことがあり、最近になってマイルを広告主の商品と交換したことを知っているとのシナリオだ。