子育てとは、子どもに同じことを何百万回も言う生活! 誰がやってもそうなるので、どうせ言うなら楽しく言おう
【総フォロワー数25万人】長年の教師生活で多くの親と接したなかから生まれた、熱い思いの詰まった言葉を365個掲載した書籍『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』が、あらゆる年代の親に刺さると話題。親力アドバイザーとして名高い教育評論家の親野智可等氏がいま子育て中の人に伝えたいことがあります。

【後悔】イライラして子どもに暴言を吐いてしまったら?Photo: Adobe Stock

親なら誰にでもあること

何度言っても子どもが言うことを聞かないので、カッとしてひどい言葉をぶつけてしまった……。
子どもの反抗的な態度にイラついて感情的になり、暴言を口にしてしまった……。

親ならこうした経験がない人はいないと思います。
こういうことがあると、親も子も不愉快な気持ちを引きずります。

子どもと親が受けるリスク

子どもの場合、例えば朝に叱られてから登校すると次のようなリスクがあります。

・うつむいて歩くことで視野が狭くなり、交通安全上の危険が増す
・友達のちょっとした言葉にキレて、トラブルになる可能性が増す
・授業に集中できなくなり、学力に悪影響が出る

また、夜寝る前に叱られると寝ている間中嫌な気分が続くか可能性があります。

もちろん親の方にも、仕事や家事に集中できなくなったり趣味を楽しめなくなったりなどの悪影響が出る可能性があります。

親が謝ると子どもは安心する

このようなわけで、感情的に叱るのは極力やめるべきです。
それでも、もし感情的に叱ってしまったときは、できるだけ早く子どもに謝ったほうがいいと思います。

「ごめんね。言い過ぎたね」
「ひどいこと言ってごめん。こういう言い方よくないよね」
「大声出してごめん。言い過ぎたね」

子どもは親にこう言ってもらえると安心します。
そうすれば、後々まで嫌な気持ちを引きずらなくてすみます。
また、かえって親の言うことにも耳を傾けられるようになるものです。

謝り方ひとつで逆効果にも

ただし、親が謝るときに次のような言い方はしないほうがいいでしょう。

「ひどいこと言ってごめん。でも、そもそもお前が○○しないからいけないんだよ」
「ママも悪かったけどあなたも悪いのよ」
「ちょっと言い過ぎたけど、お前のために言ったんだよ」
「パパ言いすぎた。ごめん。だけど、あなたがやるべきことやらないからだよ」

一切謝らないよりはマシですが、こういう言い方をされる、子どもは謝られた気がしません。
どうしても、「やっぱり自分が悪いんだ」という部分が心に残ってしまって、素直に受け入れることができなくなります。

親が子どもに謝るメリット

ですから、余分なことを言わないで、謝るときは謝ることに徹しましょう。

そうすれば、子どもも気持ちがすっきりして、親の言うことを受け入れられるようになります。

また、親が素直に謝る姿は子どもにとってよい見本になります。
子どもも、兄弟や友達や親などに対して謝るべきときにはしっかり謝れるようになります。

◆本原稿は、『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』の著者・親野智可等が子どもに関わるすべての人に伝えたい書きおろしメッセージです。