オランダの選挙が海外で大きな興奮を引き起こすことはめったにないが、22日の下院選は例外だった。今回の選挙で大きな勝者となったのは、右派のベテラン政治家ヘルト・ウィルダース氏だ。彼の勝利が欧州全域にもたらした不安は注目に値する。ウィルダース氏が率いる自由党(PVV)は下院の150議席中、最多となる37議席を獲得した。これに最も近い勢力となったのは、フランス・ティーマーマンス氏率いる労働党とグリーンレフトの左派連合で、その獲得議席数は25だった。連立政権に向けて今後交渉が行われるが、非常に細分化されたオランダの選挙システムの中では、合意成立まで何カ月もかかるとみられ、ウィルダース氏が首相に担がれることはないかもしれない。しかし、有権者が示したメッセージは明確だ。