中世文学が専門の大学教授、ジャナ・マシューズ氏はトイレをチェックし、担当する「就活ブートキャンプ」講座で最大のイベントから逃げようとしている学生を説得し引っ張り出す。イベントとは、仕事上のネットワークづくりのスキルを鍛えるための卒業生との交流会だ。ロリンズカレッジ(フロリダ州ウインターパーク)でマシューズ氏が担当する学生の多くにとって、知らない人との対面での会話は英国の詩人チョーサーの作品の読解より疲れる。シドニー・パーメットさんは前の晩、なかなか眠れず、さぼることも考えた。「何を言うか考えすぎて、何も言うべきでないのかもと悩んだ」。5月に卒業したパーメットさんはそう話した。湿っぽい手で握手しないようにするため、手のひらに制汗剤を塗ってはどうか。不安で嘔吐(おうと)する人は口臭予防のミントキャンディーを食べればいいし、自己紹介を求められて頭の中が真っ白になったら、用意した原稿を見ればいい。マシューズ氏はそんなアドバイスをするのだと話す。この講座では、学生は自己紹介、相手への質問から始まり、自分の関心や仕事の経験、スキルを短時間で売り込む話術を練習する。
中世文学より難しい? 雑談教える米大学
就活にらみ対人スキルを指導する専門外の教授が増加
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