『風、薫る』第84回より 写真提供:NHK
今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラに関する著書を2冊出版し、毎日レビューを続けて12年めの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は第84回(2026年7月23日放送)「風、薫る」レビューです。
直美、文に病名を告知
縁側で起き上がりこぼしで遊んでいるりん(見上愛)と環(英茉)。環に手紙のお礼を言うりん。
「直美さん(上坂樹里)、環のおかげですごく助かってると思う」
そう言ってりんは環を抱きしめる。
環のおかげで助かっているというのは、疲れた心の癒やしになっているということか。あるいは、環といることで母の気持ちを理解できるようになったということか。
その流れで、文(内田慈)との関わりだ。
第83回でりんに「何が文さんのためになるとかじゃなくて。直美さんの気持ちでいいんじゃない? 直美さん、子どもなんだから。直美さんの思うようにしていいんだよ」と言われた直美は、「大谷直美として」文に会いに行く。
「看護婦ではなく」大谷直美として文の病状を伝える。
藤田(坂口涼太郎)の診断である、胃がんでおそらく全身に広がっていて治療はできないということを、藤田の許可なく伝えるのだ。看護婦だったら、藤田の判断に従うが、大谷直美、かつおそらく文の娘として文に真実を伝えることを判断した。
直美もりんが山本(本田大輔)にしたことと似たようなことをしたことになる。看護婦としては問題視される可能性があるが、一人の人としては自分の思ったようにする。うーん、いいのかと賛否が分かれそうだ。
朝日新聞出版の『戦国武将を診る 源平から幕末まで、歴史を彩った主役たちの病』(早川智著)によると、日本で最初に西洋医学的な癌告知を受けたのは岩倉具視だとある。それは明治16年(1883年)。
『風、薫る』は日本国憲法が発布された明治23年を過ぎているので、日本初のがん告知がされてから数年はたっている。







