何十年もの間、米国は中国の潜水艦をあまり心配する必要がなかった。中国の潜水艦は騒音を立てるため、追跡が容易だった。一方、中国軍は米国の超静音化された潜水艦を探知するのに苦労していた。だが今や、中国は潜水艦技術も海中探知能力も進歩させ、米軍と中国軍を隔てる最大の格差の一つを埋めつつある。台湾を巡って今後起こり得る紛争に備える米軍にとって、これは重大な意味合いを持つ。衛星画像を見ると、中国は今年、スクリューの代わりにポンプ噴射式推進システムを採用した攻撃型原子力潜水艦を進水させたことが分かる。米国の最新鋭潜水艦に用いられる騒音低減技術が、中国の潜水艦で確認されたのは初めてだ。その数カ月前、中国東北部・葫蘆島にある原子力潜水艦の製造拠点の衛星画像には、既存の中国製潜水艦の船体よりも大きな船体部分が施設内に並べられている様子が写っていた。同拠点で二つ目の近代的な建造施設が2021年に完成。増産態勢に入る予定であることを示している。