ウォール街が利下げに備えている。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑制のために歴史的な利上げサイクルに突入してから1年8カ月がたち、投資家は今や、FRBが近いうちに追加利上げする可能性よりも、わずか4カ月後に利下げに踏み切る可能性の方がはるかに高いと考えるようになった。CMEグループのデータによると、金利先物は27日、FRBが2024年5月の連邦公開市場委員会(FOMC)までに少なくとも0.25ポイント利下げする可能性を52%織り込んだ。この水準は10月末には29%に過ぎなかった。金利先物はまた、同年末までの利下げ回数を4回と見込んでいる。投資家はFRBの景気抑制策によって打撃を受けてきたが、今月はS&P500種指数を9%近く押し上げている。これは米経済がたどるであろうさまざまな道筋に賭けたものだが、そうした道筋には株価の追い風にならないものもある。