最近よくある労働組合のストは賃上げを求めるものだが、こういうストもある。百貨店メーシーズのワシントン州シアトル郊外の3店舗で先週末、数百人の従業員が、万引の横行などで従業員が危険にさらされているとして抗議ストを行った。全米食品商業労組(UFCW)の第3000支部は、メーシーズが「万引や暴力的な客など、従業員と客への安全上の脅威に関して十分な対応策を取っていない」と主張している。労組側は証拠の一つとして、ベテラン従業員のリーサ・ルイックさんのケースを挙げる。彼女は市の中心部から30キロほど北にあるメーシーズの店舗で働いている。ルイックさんは、この店舗の従業員たちが「万引を頻繁に目撃しており、暴力行為にも時折遭遇している」ことを指摘。「安全管理上の不備の影響は客にも及んでいる」と述べている。しかし本人が先週、地元紙エベレット・ヘラルドへの投書の中で明らかにしたところによると、「法執行当局者の間でもよく知られている万引常習犯」の行動を警察に通報したところ、メーシーズは彼女に「3週間近い」無給での出勤停止処分を下した。今ではメーシーズの従業員は「警察に通報すれば、トラブルに巻き込まれたり、場合によっては職を失ったりしかねないと懸念している」という。