米半導体大手ブロードコムのホック・タン最高経営責任者(CEO)は、このほどサンフランシスコで開かれた中国の習近平国家主席と米企業トップたちとの夕食会で習氏と同じテーブルの席に座るために、4万ドル(約590万円)を支払った。タン氏はもっと多額の案件を抱えていた。中国政府の承認を待っていた690億ドルの取引だ。中国の監督当局は何カ月もの間、ブロードコムによる米企業向けソフトウエア開発会社ヴイエムウェアの買収計画を承認しようとしなかった。このためブロードコムは、2022年5月に最初に発表した買収完了期日を3度にわたり先延ばしした。中国政府は米国企業が関わる過去の企業合併案件に足止めを食わせていた。半導体大手インテルはイスラエルの半導体受託製造会社タワー・セミコンダクターを50億ドル超で買収する計画だったが、中国当局の承認が得られなかったことを受けて、8月に買収を断念した。