イスラエル軍がガザ地区でイスラム組織ハマスの幹部を標的にした新たな攻撃の準備を進める中、イスラエルの軍事・政治指導者たちは、ハマスの権力基盤である数千人の戦闘員の処遇をどうするのかという難題に直面している。この難題に対処するため、イスラエルと米国の当局者の一部は戦争終結を早める方法として、数千人の下級戦闘員をガザ地区から追放する案を議論している。この案は、1982年にイスラエルがレバノンの首都ベイルートを包囲した際、米国が仲介役を務め、パレスチナ解放機構(PLO)のヤセル・アラファト議長と数千人の戦闘員がベイルートから退去するのを認めた協定をほうふつさせる。イスラエルと米国は、戦争終結後に誰がガザを統治するのか、また、10月7日の(ハマスによる奇襲の)ようなイスラエル史上最悪の攻撃を二度と起こさせないようにするにはどうすればいいのか、といった問題について協議を進めており、ハマスの戦闘員を追放する可能性もそうした協議の一環で浮上した。