そんな状況を変えるきっかけとなったのが、2022年5月18日に施行された「改正宅地建物取引業法」だ。この改正法によって書類の電子交付が可能になり、不動産の契約手続きのオンライン完結が実現。不動産情報の検索・面談・契約など、不動産を賃貸・売買するために必要な手続きがすべてオンライン上で行えるようになった。

国内でオンライン不動産のサービスを展開する新興プレーヤーには、RENOSY(リノシー)を運営するGA technologies、「OHEYAGO(オヘヤゴー)」を運営するイタンジ、「Terass Agent」を展開するTERASSなどが挙げられる。

2022年4月から保険適用範囲が拡大した不妊治療

また、2022年4月から不妊治療の保険適用範囲も拡大した。これまで、人工授精や体外受精などの治療は患者が全額費用を負担する自由診療のもとに行われてきたが、4月からはそれらの一部が保険適用の対象となる。その結果、高額だった治療費による負担が軽減されることになり、これまで費用の面から治療の開始やステップアップに踏み切れなかった人の後押しになることが期待されている。

そうした変化を踏まえ、不妊治療専門クリニックも新たに立ち上がった。2022年5月17日に東京・恵比寿に開業した 「torch clinic(トーチクリニック)」だ。同クリニックはTRILLの代表取締役を務めた中井友紀子氏が立ち上げた会社・ARCHが運営する。

トーチクリニックは予約・問診・診察・処方・決済まで専用アプリ内で行うことで、在院時間を削減し通院の負担を軽減。仕事と両立しやすい不妊治療を提供する。また、オンライン診療を活用することで、通院が難しいパートナーと一緒にカウンセリングや説明を受けられるほか、検査結果や治療の経過を専用アプリで確認・共有できるという。

torch clinic以外には、不妊症看護認定看護師を中心に妊活の専門家がLINEを使って相談や、アドバイス、情報を提供する妊活コンシェルジュサービス「famione(ファミワン)」を手がけるファミワンといったプレーヤーなどもいる。保険適用範囲の拡大を機に、不妊治療の市場も今後盛り上がりを見せていきそうだ。

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エイジレス、約1.1億円の資金調達を実施

シニア層に向けたリスキリング、セカンドキャリアコーチング事業、大企業に向けた50、60代向け社員のキャリア、能力開発サービス事業の展開を予定しているエイジレスは5月18日、East Ventures、NOW、Skyland Ventures、太田雄貴氏、緒方憲太郎氏、福島広造氏のほか個人投資家3人を引受先とする第三者割当増資によって、約1.1億円の資金調達を実施したことを発表した。