左から、サム・アルトマン氏とイーロン・マスク氏。インタビューが実施された2016年当時の写真
左から、サム・アルトマン氏とイーロン・マスク氏。インタビューが実施された2016年当時の写真 画像提供:Y Combinator

電気自動車大手・TeslaのCEOを務める傍ら、宇宙開発ベンチャーのSpaceXや脳に埋め込むデバイスを開発するNeuralink、加えてAIを研究する非営利団体であるOpenAIなどの共同創業者としての顔も併せ持つ、イーロン・マスク氏。

マスク氏は2016年、米名門アクセラレーター・Y Combinatorの元プレジデント、サム・アルトマン氏のインタビューで、自身の原点を振り返った。ビジネスとテクノロジー、その両方に精通するマスク氏による最新技術の考察からは、6年近くたった今でも多くの学びを得られる。

前編ではマスク氏が、多種多様な事業領域に挑戦する理由や、注力する領域を選ぶ方法について話した。後編では、火星コロニーの実現やAI技術の可能性と脅威、自身の時間の過ごし方などについて語る。

火星コロニーの成功確率は

サム・アルトマン氏(以下、サム):現時点で、火星コロニーの成功確率はどれくらいだと思いますか。

イーロン・マスク氏(以下、イーロン):まあ、不思議なことに、実際にはかなり良い確率だと思います。