Photo:lerbank / gettyimages
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連載「Z世代のための『経済ニュース解説』」では、経済アナリスト・森永康平氏が独自の視点から、日本の経済ニュースをZ世代向けにわかりやすく解説していきます。今回のテーマは、スタートアップが上場を目指す意味についての解説です。

「上場を目指します!」

このような目標を掲げるスタートアップは数多くある。ゼロの状態からスタートした企業が株式市場に上場することで、会社は社会の「公器」になり、今まで信じて付いてきてくれた人たちに報いるためにも起業家が上場を目指すのは理解ができる。

しかし、ただやみくもに上場を目指せばいい、というわけでもない。上場を目指すにあたって、意外と上場によるデメリットの部分は語られていない。「上場するとはどういうことか」を説明するにあたって、良い事例だと思ったのが旧村上ファンド系による、ベンチャーキャピタル(VC)大手・ジャフコ グループ株の大量買い付けだ。

2022年8月、VC大手で東京証券取引所にも上場しているジャフコ グループが自社株に対する大規模買付行為に対して、新株予約権の無償割当などの対応策(ポイズンピル)を導入することを発表した。その背景には、「物言う株主」として知られる村上世彰氏の影響下にある投資家グループが同社の株式を大量に買い集めていることがある。