「クライアント企業が特に課題感を感じていたのがテレビCMです。最も予算を投じていてブランディングにも大きな影響を与えるにも関わらず、成果との関係性が見えにくい。数年前からサイカがテレビCM特化のアドエージェンシーになって、分析を軸にテレビCMを手伝って欲しいと何度も言われてきました。まずは分析のプロとしてしっかり基盤を作るのが前提だと考え、これまではマゼランに注力してきましたが、ようやく土台が整ってきたので今回新サービスとなるアドバの提供に踏み切った形です」(平尾氏)

アドバのウリは大きく2つ。1つはこれまで蓄積してきた分析技術を基にテレビCMの全ての出稿プロセスを定量的に評価し、売上などの事業成果を最大化する出稿プランを作れること。もう1つが出稿前に合意した事業成果を獲得できた場合に初めて管理進行費が発生する成果報酬モデルを採用していることだ。            

テレビCMの予算策定ステップ
テレビCMの予算策定ステップ

実際にテレビCMを出稿する場合、通常は上記のような流れで具体的な予算を設定していく。最初に総予算の中から、どのメディアにいくら配分するかを決定。テレビCMに投じる予算が決まった後はエリアごとの配分、各エリアでの局配分、実際に広告を流す時間帯やペースの配分といったように細分化しながら予算を決めていくわけだ。

平尾氏の話では、一連のプロセスにおいて成果を評価する方法に改善の余地があったという。メディア配分に関してはテレビはテレビだけ、デジタルはデジタルだけといったように媒体別で評価がなされていたために、必ずしも各媒体を統合した上で最適な評価ができているわけではない。

テレビCMならではのエリア配分や局配分といった工程では、視聴数の最大化がベースの指標として使われている。そのため「テレビCMをどれだけ放送するか(出稿量)」は約束できても、「テレビCMを放送することで、どれだけ商品やサービスが売れるか」はわからず、CM出稿が事業成果にどれだけインパクトを与えたのかを把握しきれなかった。

媒体を統合して評価することは、まさにサイカがマゼランを通じて解決策を提供してきた領域だ。アドバではこのマゼランの分析機能をテレビCM向けに拡張するともに、プランニングに必要となる仕組みを新たに開発。テレビCMについても売上などの成果に紐付けて分析し、ROIを最大化するための予算配分を策定できるようにした。

アドバではマゼランの分析機能をテレビCM向けに強化するとともに、プランニングに必要な機能を加えることでテレビCMのROI最大化をサポートする
アドバではマゼランの分析機能をテレビCM向けに強化するとともに、プランニングに必要な機能を加えることでテレビCMのROI最大化をサポートする
従来の出稿ボリュームに応じたマージンモデルではなく成果報酬型のビジネスモデルを採用している点も特徴
従来の出稿ボリュームに応じたマージンモデルではなく成果報酬型のビジネスモデルを採用している点も特徴

この基盤があるからこそ、これまでの出稿ボリュームに応じたマージンモデルではなく、事業成果を対象とした成果報酬モデルも実現できる。アドバでは出稿前に広告主とサイカとの間で事業成果をシミュレーション・確約しておき、それを達成できなかった場合には管理進行費の支払いは不要だ。