そのなかで、もっともアスベスト濃度が高かったのは2011年6月に千葉県旭市の仮置き場敷地境界で計測された1リットルあたりアスベスト繊維4.2本である(総繊維10本)。敷地境界よりも濃度が高くなる、がれき置き場の作業場内の測定でも、もっとも高かったのは1リットルあたりアスベスト繊維5.9本である(総繊維15.45本)。これらと比べても最大7倍とはるかに高濃度であり、今回の石巻市の測定結果はダントツで、がれき仮置き場における日本最悪の濃度といえる。

 永倉氏がこう解説する。

「これはアスベスト除去工事での漏えい事故以外ではみたことのない数値です。アスベスト含有の成形板をちょっとつぶしたりした程度で出る濃度ではありません。アスベストを吹き付けた鉄骨やアスベスト含有保温材が混ざったがれきを長時間いじったりしない限り、こんな濃度が出ることは考えられません。ましてや現場は屋外で、測定場所は敷地境界ですから、場内では数百本単位で検出されてもおかしくありません」

市議会議員にも非公表

 今回の件については昨年12月の市議会でわずかではあるが話題に上っている。アスベスト対策について質問された亀山紘市長は、2012年8~9月にかけて市内のがれき仮置き場22ヵ所でアスベストを測定し、「2ヵ所の1次仮置き場の一部の地点から標準基準値を超える数値が確認された」「日常的に実施しております散水のほか、飛散防止や封じ込めの対応を行う」と答弁している。

 仮置き場の測定やその後の対策の詳細を知るべく石巻市災害廃棄物対策課長の三浦智文氏に問い合わせると、「いまのところ公開していない」との回答だった。

 理由を尋ねると、「お知らせも必要だったんでしょうけど、そこまでにいたらず、まずは(アスベストが)出たところでの対策をした」「測定結果については環境省と県には報告している」という。また同課課長補佐の鎌田清一氏は公開してない理由を「まだ原因がはっきりしてないので」と漏らす。

 その後、質問事項を文書で提出するよう求められたので送ったが、「開示請求をしてください」と繰り返すばかりのお粗末な回答が返ってきた。