情報が隠された状態であり、取材にも応じないため詳細はわからない。だが、丹野市議は「がれき置き場での作業を止めたとは聞いていない。散水とか対策をしてそのまま継続しています」と話す。

 アスベストが飛散しても情報を公開しなければ、市民にはわからない。ましてや発がん性が高く、悪性中皮腫や肺がんなどを発症するといっても、何十年も先の話だ。この場所以外にもさまざまな発生源から曝露しているだろうから、どうせ被害が発生してもここが原因かなどわからないだろう──。こんな思いがかすかにでも石巻市の担当者らの頭をよぎりはしなかったか。

「これだけの濃度が出て、いまだに原因がわからないのですから、東京都文京区のさしがや保育園や佐渡市の飛散事故のように、外部の専門家による検証委員会をつくってどのような作業状況だったのか、原因はなにか、作業員や周辺住民にどのくらいのアスベスト曝露があるのかを客観的に検証して公表すべきです。現在は事実関係すら明らかにされていないわけですが、こういうことがあり得るとすると、いままでにも同じように異常な測定値が隠されたまま表に出てない可能性があるということになります」(永倉氏)

本連載第14回で報告したように、石巻市はアスベスト飛散という重大な情報を市民に公表しなかったという“前科”がある。それに続いてまたも全国最悪のアスベスト飛散を“隠ぺい”するありさまだ。

 丹野市議がこう明かす。

「今回の件があってから毎日測定しろといったけど、市側は毎日は『予算がない』という。『ふざけるな、予算なくてもやらなくちゃいけないはず』と怒ったら、『費用対効果を考えなくちゃいけない』といってきた。『そうかじゃあ、人の命はいくらか。人命も費用対効果なんですか』といったら話をすり替えて答えなかった。亀山市長は『情報公開“日本一”をめざす』と公約して当選した。なのに人の命にかかわる情報を議員にも出さない。石巻市はちょっとでも都合の悪いことがあるとすぐ隠す体質がある。『情報公開“日本一”』は日本で一番悪い日本一です」

 こうした“隠ぺい”が起こっても監督官庁の指導が及ばない現状からすれば、同様のことがほかの自治体でも起こっていることを強く疑わざるを得ない。

 まさしくほかにどんな重大な飛散事故が隠されていてもおかしくない。これが「情報公開“日本一”」をめざす宮城県「第二の都市」の実情である。