日本国内でもイエソドやLBVといったスタートアップに加え、メタップスなどもこの領域でサービスを始めているようにプレーヤーが徐々に増えてきている。直近にも同様のサービスを発表予定の国内企業もあるようだ。

今井氏によると当初「日本で展開するには少しタイミングが早いかもしれない」という考えもあったが、プロダクト開発前にコンセプトベースで数十社にヒアリングを重ねて見たところ、特に社員数が20〜30人以上の規模で複数のSaaSを導入している企業に関しては明確な課題とニーズがあることがわかったという。

サービス開発にあたっては、マネーフォワード社内に加えて複数の企業にテスト版を導入して機能の検証を進めてきた。最低限の基盤が整ったため今回のタイミングでベータ版として提供するに至ったかたちだ。

新サービスではマネーフォワードの強みでもあるアグリゲーション技術を活用している
新サービスではマネーフォワードの強みでもあるアグリゲーション技術を活用している
新サービスは言わば「SaaSの家計簿」だ
 

 

まずは国内から展開を始めるが、ゆくゆくはグローバルにも進出する計画。それも見越して開発チームは4カ国のメンバーで構成されており、約10名のうちの半数以上が外国籍のメンバーだという。

「マネーフォワードはもともと家計簿アプリからスタートした会社であり、さまざまな銀行口座やクレジットカードサービスとの連携によって付加価値を出してきました。“データを持ってくる”ということは得意で、今回もそれをSaaS領域に転用するようなイメージのサービスです」

「そういう意味では、実はとてもマネーフォワードらしいサービスだと思っていますし、自分たちがやるしかないという思いで開発しています。これまでは経理や人事などバックオフィスの方たちに向けたサービスが多かったため、(情シスや経営管理部門向けのプロダクトは)会社としては新たな試みにはなりますが、しっかりと課題解決に繋がるものを作っていきたいです」(今井氏)