Oculusの公式ブログより
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人間の認知のシステムは、ちょっとした不自然さがあると、すぐにそれを違和感として感じてしまい、没入感が削がれてしまう。Horizon Workroomsはそれを感じさせないレベルに技術を仕上げ、完全に新しい没入感を生み出すことに成功していた。

さらに、リモートデスクトップ機能を組み合わせ、リンクしたPCの画像をVR空間内のホワイトボードに共有映像として表示したり、Bluetoothキーボードをリンクさせてバーチャルキーボードとして登場させたりすることを可能にしている。

ウェブカメラを通じてVR空間にログインするユーザーとは、Zoomのような既存サービスとほぼ同じような操作感で利用できる簡便さも実現していた。

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Horizon Workrooms、普及の鍵は?

ひと通り触ってみた結果、普段使いのオンライン会議なら実際に利用できると感じさせる強力な説得力が、Horizon Workroomsにはあった。ソフトを終了させて、ヘッドセットを外して現実世界に戻ると、なにか奇妙な違和感さえあった。自分自身が別のVR空間のなかに存在していたのに、一旦離れると、どこかに存在する空間から、引き剥がされたような感覚さえしたのだ。

Oculusが積み上げている技術には圧倒的なものがあり、VRを使った類似の会議システムは容易には追従できないだろう。Facebookが推し進めるメタバース戦略では“実在感”を大きな鍵として、Horizon Workroomsが重要な役割を担うのは間違いない。

ただ、Zoomの次を目指すメタバースとして成功したと言えるかどうかの指標はシンプルだろう。これが普段遣いのオンライン会議の場として広がるかどうかではっきりするからだ。たとえ、あなたがVRハードを持っていないとしても、2D参加を前提にHorizon Workroomsの招待をビジネスミーティングとして受ける回数が増えるなら、その成功を推し量ることができるはずだ。