「不快すぎる」「ドン引きした」Appleペシャンコ広告に批判殺到…日本人ばかりが怒り心頭なワケ「Apple」Youtubeチャンネルより

Appleが5月7日(現地時間)に発表した新型iPad ProのCMが議論を呼んでいます。「不快すぎる」「ドン引きした」と日本人から声が上がる一方で、海外では否定的な反応が少ないのです。いったい、なぜなのでしょうか。背景を整理するうちに、今回の騒動の「最大の問題点」が見えてきました。(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)

Appleの「ペシャンコ広告」が物議!
日米で賛否が分かれる

 衝撃的な映像でした。楽器が破壊されていきます。トランペットにピアノにギター。巨大なプレス機械でつぎつぎと押し潰されます。カメラやレコードプレイヤー、ブラウン管テレビなどオールドメディアも次々と破壊され、絵具やゲーム機が犠牲になり、最後にはキャラクターの人形がぺしゃんこに圧し潰されます。

 すべてが潰された後、プレス機がふたたび上にあがっていくと、そこにiPadが形成されています。13インチモデルが厚さがわずか5.1mmと、Apple史上最薄の製品になった新しいiPadの広告動画ですが、この動画がSNS上で炎上しています。

「アーティストやクリエイターたちが生み出すクリエイティブへのリスペクトが感じられない!」

 楽器を壊すという行為が一番の象徴でしょうか。この広告を見た日本人は、やってはいけないことをやっているこの映像に対して激しい拒絶反応を示し、Xにつぎつぎとこういった広告を容認したApple経営陣への反感をポストしました。

 さて、ここからがこの記事の本題です。

 興味深いことに、この広告についてネガティブな反応が相次いでいるのが日本である一方で、海外では否定的な反応が少ないのです。

 あくまで8日までに私が確認した範囲内ですが、日本語のXへのポストは過半数がAppleに対して批判的な(ないしは懸念を表明するような)投稿をポストしています。一方で英語のポストはというと広告動画自体に不快感を表明している人は目視では2割以下。批判の大半はAppleの新製品のスペックへの批判です。

 なぜアップル社はこのような不快な広告を制作したのでしょう?そしてなぜ主に日本人がこの広告に対して強い不快感を表明したのでしょうか?

 この問題は実はグローバルブランドの広告制作に関して、新しいタイプの問題を提起しています。今回はそのことを記事にしたいと思います。