「Facebook」や「Twitter」に代表される、登録ユーザー同士が交流できる会員制サービスのSNS。2010年代にはスマートフォンの普及によって拡大し、写真の「Instagram」や動画の「TikTok」を筆頭に数々のプラットフォームが台頭してきた。
だがSNSの全世界での利用時間は2020年をピークに、低下傾向にあることがドイツの調査会社・Statistaの調査で明らかになった。Statistaはドイツ、アメリカ、イギリスや日本に拠点を構え、世界の主要な業界、市場や消費者動向に関する調査データや統計を提供する。
Statistaが2021年11月に発表した「Digital Economy Compass 2021」によると、ネットユーザーが1日にSNSを利用する時間の世界平均は、2012年から2019年までに90分から145分にまで上昇。2020年は前年と同じく145分だったが、2021年には142分まで低下した(2021年は第1四半期:1〜3月の数値)。
低下傾向の理由について、Statistaのデータジャーナリストであるマーティン・アームストロング氏は「SNSが若者のメンタルヘルスに悪影響を与える可能性があるという調査結果の増加」や「プライバシーポリシーに関する懸念」などが挙げられるのではないかと説明する。
イギリスの慈善団体・Royal Society for Public Healthは2017年、「SNSは不安、うつや睡眠障害といった症状と関係している」と結論づけた調査結果を公表。そして2021年9月にはWall Street Journalによる調査報道によって、Instagramは10代ユーザーのメンタルヘルスに悪影響を与えているとFacebookが社内調査により把握していたことが明らかになった。