いよいよ新NISAが導入されたが、何か投資をしたいのに最初の一歩が踏み出せないという人も多いだろう。そんな人たちに話題なのが、「金銭的自立を目指す全ての人が読むべき」「『金持ち父さん 貧乏父さん』以来の衝撃の書!」と絶賛されている全米ベストセラー『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』だ。本稿では、本書の内容を一部抜粋・編集しながら、日本人のための投資の格言について紹介しよう。
1980年から2020年末までの
41年間の総リターンは?
市場価値(黒い線)が投資元金(グレーの線)を上回っていれば、投資額に対してプラスのリターンが得られたことになる。
市場価値が投資元金を下回っているときは、リターンがマイナスになっている。
図表52 日本の株式市場の取引日に1ドル投資を41年間続けた場合の「市場価値」と「投資元金」の比較
上の図のように、2020年末までの41年間の総リターンは、わずかにプラスになっている。
素晴らしい結果ではないが、過去30年間、日本の株式市場のパフォーマンスが全世界で最悪の部類であることを考えれば、悪くはない結果だ。
この日本の例は、株式市場によっては数十年にわたって損失を出す可能性があるが、長期的に投資し続けるなら(ほとんどの個人投資家がそうする)、その可能性は低くなることを示している。
にもかかわらず、日本などの例を口実にして、次の暴落のほとぼりが冷めるまで現金のまま資産を持ち続けようとする人もいる。
だが、ほとぼりが冷める頃には、すでに市場は上昇気流に乗っている。
怖くて飛び込めなかった臆病な人たちは、市場の成長に取り残されてしまうのだ。
私自身、2020年3月にそのような人たちを大勢目の当たりにした。
今後も目にするだろう。
それでも危機の最中には怖くて買えないという人を、責めたりはしない。
実際、後から考えれば危機のときに投資をすることが愚かだったという歴史上の例は簡単に見つかる。
だが、例外や起こりうる可能性のあることだけを気にしていては投資できない。
もしそうなら、今後一切投資はできなくなる。
大好きな投資の格言
19世紀ドイツの思想家フリードリヒ・ニーチェは、
「過去を無視すれば片目を失う。過去に生きれば両目を失う」
と言った。
歴史を知ることは大切だが、それに執着すると道に迷いやすくなる。
だからこそ、データに基づく投資が重要なのだ。
高名な経済学者のジェレミー・シーゲルは次のように言っている。
「人は、大量かつ明確な歴史的なデータより、恐怖に突き動かされて投資をしている」
これは私が大好きな投資の格言であり、まさに私の本の最後を締めくくるのにふさわしいものだ。
この格言が、次に「通りで血が流れているとき」に、あなたがジャスト・キープ・バイイングを続けるための心の支えになることを願っている。
(本稿は、『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』の一部を抜粋・編集して構成したものです)