米企業の利益が回復してきた。そのため米国経済が落ち込む可能性はこれまでより低くなっている。米商務省が11月29日に発表した第3四半期の米企業の税引き前利益は、前年同期比1.1%増だった。第2四半期は6%減だった。しかもこの利益額には、米連邦準備制度理事会(FRB)傘下の地区連邦準備銀行の収入も含まれている。各地区連銀は最近、国債や住宅ローン担保証券(MBS)の大量保有と金利の急上昇が重なり、損失を出している。地区連銀を除くと、企業利益は第2四半期の1.6%増に対し、第3四半期は6.7%増となった。利益の回復は大手上場企業でも明らかだ。ロンドン証券取引所グループ(LSEG)によれば、S&P500種構成企業の1株当たり利益は第2四半期に前年同期比2.8%減少した後、第3四半期には7.1%増加した。増益は今後も続きそうだ。アナリストの予測は、四半期が始まって時間がたつと厳しくなりがちだが、S&P500種企業の第4四半期利益は5.2%伸びると予想されている。
米企業利益拡大、景気後退リスクが低下
まだ景気後退に陥っていない経済が利益回復中に景気後退に陥らないのは、おそらく雇用に原因がある
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