年収が上がらない、モチベーションが上がらない、仕事と家庭の両立がうまくいかない ── そんな悩める人たちに「読むだけで元気になる」と話題なのが、森武司著『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』だ。
“元芸人社長”であるFIDIA(フィディア)の森社長は、吉本のお笑い芸人引退後、4年間の引きこもりニート、家電販売員を経て仲間と起業。現在年商146億円、Financial Times「アジア太平洋地域急成長企業ランキング 未上場日本一」、「ベストベンチャー100」受賞、経済産業省選定「地域未来牽引企業」、11事業すべて黒字化、新卒500人採用、創業以来18年連続増収増益を果たした。また、素人ながら化粧品開発に取り組み、あの資生堂を抜き、アマゾン年間売上1位となった注目の経営者でもある。
まさに人生を大逆転させた元芸人社長だが、その秘密はデビュー作で一挙公開した「仲間力アップマル秘マニュアル」の6大奥義にあるという。
本連載では初の著書『スタートアップ芸人』の一部を抜粋・編集しながら、「仲間力(=仲間をつくる力)」アップによる人生大逆転の法則を見ていきたい。

プレゼンPhoto: Adobe Stock

競合は超大手7社!
「グラングリーン大阪」のカフェ公募

 2024年9月、大阪駅直結の「グラングリーン大阪」という広大な公園ができる。

 資材置き場を大阪府と大阪市が買い上げ、公園の真ん中には安藤忠雄さん設計の360度ガラス張りカフェができるのだ。

 公園の象徴となるカフェの企画運営は公募で行われた。

 誰もが知る有名カフェチェーンやホテルチェーンが7社も手を挙げていたが、僕らも応募することにした。その責任者が山口だった。

 前回触れたとおり、山口は、11事業で最も切れ者がそろうコンサルティング事業(Luvir Consulting株式会社、以下ルヴィアコンサルティング)に抜擢され、入社1年目から抜群の実績を残してきた人物だ。

 1年半かけて条件を詰めながら企画を練り込んだ。

 有名カフェチェーンは坪単価4万円を提示してきたが、僕らは3万3000円までしか出せなかった。

 ただ、有名チェーンのカフェがあっても、「そこを目的にグラングリーンに行こう」とはならない。

 僕らは世界に一つしかないカフェ、大阪の象徴になるカフェを企画した。

「大阪に行ったら絶対あのカフェに行きたい」

 と公園自体のバリューを底上げするカフェをつくりたいと思ったのだ。

救急車で運ばれた山口

 大一番のプレゼンを翌日に控えた日、山口はプレゼンの練習中に倒れ、救急車で運ばれた

 山口は5分間のプレゼン時間があったら完璧な資料を用意し、5分ぴったりで終わるタイプ。

 だが、「1秒も無駄にするもんか」と徹底的に練習するうちにテンションが上がりすぎて倒れてしまったのだ。

「ちょっと気合が入りすぎました。使命感が高まって、心拍数が爆上がっちゃいました」

 と笑いながら話す山口は心底すごかった。

風向きが変わった瞬間

 当日、山口は堂々とプレゼンした。

 今まで数々のプレゼンを見てきたが圧巻だった。

 聞いていてが出そうだった。

 これが入社3年目なのか!

 事前に世界的なホテルチェーンに決まりかけているという噂を聞いていたが、山口のプレゼンに感動したクライアントが「もっと話を聞かせてほしい」とものすごく前のめりになった。

 風向きが変わった瞬間だった。

(本稿は『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』の一部を抜粋・編集したものです)