イスラム組織ハマスがガザ地区に設けたトンネル網を巡り、イスラエル政府が海水を注入できる大型ポンプのシステムを組み立てたことが分かった。米政府当局者らが明らかにした。海水注入でトンネルを破壊し戦闘員らを地下から追い出すことができる一方で、ガザの給水システムに影響が及ぶ可能性もある。イスラエル国防軍は先月半ば、アルシャティ難民キャンプから北へ約1.6キロの位置に大型の海水ポンプを組み立て終えた。ポンプは少なくとも五つあり、一つごとに地中海から毎時数千立方メートルの海水をトンネルへ流し込むことができるため、トンネル網は数週間以内に浸水することになる。当局者らによれば、イスラエル政府は11月初めにこの選択肢を初めて米国側に伝えた。これを受けてその実現可能性や環境への影響と、トンネルを無力化する軍事的な価値を比較する議論が生じたという。