ウォーレン・バフェット氏とチャーリー・マンガー氏Photo:Eric Francis/gettyimages

 米著名投資家ウォーレン・バフェット氏の右腕として知られた故チャーリー・マンガー氏のように投資したい人がいるとすれば、その人は「パーティーに遅れた」と言える。「クオリティー・ファクター」として知られるようになったものを見抜くこと、すなわち優良企業を買うことにおいて天才だったマンガー氏は、自身とバフェット氏に大金をもたらした。それから50年近くがたった今、彼の戦略をまねるにはあまり良い時期ではないかもしれない。

 マンガー氏の優れた才能を見逃した人のために説明すると、彼はバフェット氏を説得し、米投資会社バークシャー・ハサウェイの軸足を「シガーバット(吸い殻)」バリュー株(誰も欲しがらないため割安な不良企業)から「素晴らしい企業を適正な価格で」買う方向にシフトさせた人物である。

 その戦略の難しさに触れる前に、投資家や学者が「素晴らしい」企業をどのように定義しているかを考えてみよう。それは「クオリティー」企業で、収益の伸びが安定し、利益率は堅実で、それほど多くの負債を抱えていない企業を指す。これらの企業はオールシーズン型の企業であり、好況時には高レバレッジの「勝ち組」企業に成長率で劣るが、不況時には生き残るというように、常に繁栄している。