お金持ちの家に生まれ育ち、大学を卒業して間もなく結婚。3人の子どもを授かるも離婚した。実家に出戻ったものの、父親の会社が倒産し、49歳で住む家を失ったついには預金通帳の残高がほぼ0円に……それまでとはうって変わって赤貧生活に陥り、裸一貫で整体院で働くようになった。自分の力で人生を切り拓いてきたとき、今度は末期寸前のがんを患うことに。そんな波乱の人生を乗り越えて「今がいちばん幸せ!」と断言する『71歳、団地住まい 毎朝、起きるのが楽しい「ひとり暮らし」』(ダイヤモンド社)の著者が、毎朝起きるの楽しくなるライフスタイルを【人間関係】【食事】【睡眠】【健康】【メンタル】【ファッション】【インテリア】【パソコン】とテーマごとに紹介する。
※本稿は『71歳、団地住まい 毎朝、起きるのが楽しい「ひとり暮らし」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

【71歳ひとり暮らし】末期寸前のがんで食べられない経験をしてわかった1つのこと写真:川瀬典子

がんになって
変わった食生活

日々楽しく食事をしてきた私ですが、61才で末期寸前のがんを発病したとともに、以前のようにおいしく食べられなくなりました。

病気が進んだことに加えて、治療薬として使った抗がん剤の副作用があったからです。

抗がん剤というのは、最初のうちはさほど副作用が出なくても、あとからじわじわと来るんです。

どんどん体が
弱ることを実感

初めのうちはけっこう強気で「こんなの平気!」と思っていたのですが、そのうち力なくベッドに横たわって、ようやく息だけをしているような状態になりました。

食べ物を見ただけで吐き気がするありさまです。

そのとき私はすでに両親を見送っていましたが、自分が体験してみて初めて、人間が命に関わる大病をするということは、「ここまで体が弱ることなのだ」と実感しました。

「食べること」
の本質を考えた

ちゃんと食べられない私はどうなってしまうのだろう。このまま死んでしまうかもしれない。再びおいしく食べられる日は来るのだろうか。

そんな不安に苛まれつつ、食べることは生き物にとって命をつなぐことであり、食べ物は日々を営んでいくための大切なエネルギー源なのだと初めて気づかされました。

当たり前に食べることができていたころには、考えもしなかったことでした。

※本稿は『71歳、団地住まい 毎朝、起きるのが楽しい「ひとり暮らし」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。