ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の領土拡大への野心がウクライナで打ち止めになると、あなたたちは今でも考えているのだろうか。もしそうなら、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が先週、欧州安全保障協力機構(OSCE)年次会合で小国モルドバに対して発した脅し文句に耳を傾けるべきだ。同外相は「モルドバは、西側がロシアを相手に仕掛けたハイブリッド戦争で次の犠牲者になる運命だ」と語った。しかし現実には、モルドバの人々が政治的に西側寄りになる中で、同国がロシアのハイブリッド攻撃の標的になっている。モルドバは2022年にロシアがウクライナ侵攻を開始した後、ロシアとの間で航空便を制限するとともに、ロシアの金融機関に制裁を科した。モルドバ政府はまた、欧州連合(EU)が決めた対ロ追加制裁の適用を開始した。ロシア国営タス通信によれば、同国外務省のマリア・ザハロワ報道官はこの判断について「(ロシアによる)対抗措置を免れることはできない」と語った。ロシア政府は4日、モルドバ産の果物と野菜の輸入制限を開始した。米国の推計によると、農産物がモルドバの国内総生産(GDP)に占める比率は12%前後だ。
【社説】ロシアのモルドバ攻略作戦
ウクライナの小さな隣国、ロシアの次の標的に
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