日本銀行「経済・物価情勢の展望(2023年10月)」
における政策委員の物価見通し

2024年春にもYCC撤廃とマイナス金利解除へ、30~40代は金利上昇に要注意日本銀行「経済・物価情勢の展望(2023年10月)」における政策委員の物価見通し *生鮮食品・エネルギーを除く消費者物価指数の2024、25年度見通し(前年度比)

 2%のインフレ目標の達成が近づいている。日本銀行は2023年10月公表の「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)で、生鮮食品・エネルギーを除く消費者物価指数の24、25年度見通しをそれぞれ前年度比+1.9%へと引き上げた。24年春闘で高水準の賃上げ率が実現すれば、日銀は24年4月にも金融政策を転換するだろう。

 有力なのはイールドカーブ・コントロール(YCC)の撤廃だ。これまでの日銀のゼロ%程度への誘導を振り返ると、物価上昇を後押ししてきた一方、金融市場の機能低下などを招いてしまった。それに対応するため、YCCの運用を次第に柔軟化させ、23年10月会合で長期金利が1%程度まで上昇することを認めた。次こそ、形骸化したYCCの撤廃だ。