キーエンス元No.1営業が断言!日本企業あるある「最悪プレゼン」がダメなたった1つの理由最強企業・キーエンスの元No.1営業が説く「最悪プレゼン」とは?

平均年収2000万円超、営業利益率50%、時価総額5位――。最強企業キーエンスで「社内の営業成績ナンバーワン」を勝ち取った経験を持つOBが、日本のビジネス界にまん延する「ダメな営業スタイル」に警鐘を鳴らす。客先でのプレゼンで「場が白ける人」が知らず知らずのうちに犯しているミスとは?ダイヤモンド・オンラインが配信している「学びの動画」の特集『キーエンス流 営業・企画・戦略の強化書』(全20回)の内容を基に、その答えを解き明かしていく(元の動画はこちら)。(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)

「プレゼンは15分が限界」
元キーエンスNo.1営業が吐露

「私のビジネス人生での経験上、プレゼンテーションは15分が限界です」――。

 キーエンスOBで、在職中に「社内の営業成績ナンバーワン」を複数回勝ち取った実績を持つ杉谷卓宏氏は、商談における「プレゼンの長さ」の目安についてこう力説する。

 杉谷氏は1992年にキーエンスに入社し、機種責任者やアジアオセアニア地区の営業マネージャなどを歴任した人物だ。退職後は豊田通商を経て、産業用ロボットの販売・レンタル事業などを手掛ける企業「シンプリーロボット」を設立。代表取締役を務めている。

 そして杉谷氏の古巣であるキーエンスはFA(ファクトリーオートメーション)関連機器の大手メーカーであり、測定器や画像処理機器、センサーといったFA用製品を手掛けている。

 キーエンスの強みは、コストやマージンを抑えつつ、合理性を徹底的に追求した営業体制を敷いていることだ。こうした仕組みによってキーエンスは、日本企業の中では圧倒的に高い「約50%」の売上高営業利益率を継続的にたたき出している。

 そして平均年収は2279万円(2023年3月期実績)と高年収企業ランキング上位の常連で、国内における時価総額ランキングでも5位(23年11月末時点)につけている。

 そんなキーエンスでトップセールスだった杉谷氏だが、実は商談中のプレゼンがあまり得意ではないという。それでも成果を上げるべく、キーエンス時代は優秀な同僚たちを日々観察・分析していたそうだ。その中で気付いたのが「プレゼンは短時間でいい」という冒頭の結論だ。

 一般的には、商談では自社の商品やサービスについて顧客に詳しく説明し、その魅力をいかに伝えるかが重要なように思える。にもかかわらず、プレゼンが15分で充分である理由は何なのか。また、杉谷氏が「“日本企業あるある”の最悪なプレゼン」と痛烈に批判する、受注につながらない営業トークとは――。