米共和党の対中強硬派の1人であるマイク・ギャラガー下院議員(ウィスコンシン州)は9月中旬にニューヨークを訪れ、金融業界の幹部らと面会した。同氏の任務は、中国への投資をやめるよう説得することにあった。中国共産党に関する下院特別委員会の委員長を務めるギャラガー氏は、説得らしい説得が不要だったことに驚いた。幹部らから中国への投資をすでに縮小しているという話が聞けたのだ。投資縮小に動いている理由は中国の人権問題ではなく経済問題にあった。米外交問題評議会での非公開会合で幹部らは懸念事項を列挙した。例えば、中国の景気減速が深刻化しつつあることや、前例のない不動産不況により、中国の不動産開発会社が発行した数千億ドルの債券を保有する投資家が動揺していること。さらに、中国の習近平国家主席が国家安全保障を重視しているため、データへのアクセスが制限され、同国内での投資リスクを評価する外国企業などを対象にした家宅捜索や調査が行われていることを挙げた。
「中国売り」に転じる米金融業界
中国の景気減速と不動産不況で「目覚めた」機関投資家、対中投資が急減
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