年収が上がらない、モチベーションが上がらない、仕事と家庭の両立がうまくいかない ── そんな悩める人たちに「圧倒的に面白い」「共感と刺激の連続」「仕組み化がすごい」と話題なのが、森武司著『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』だ。“元芸人社長”であるFIDIA(フィディア)の森社長は、吉本のお笑い芸人引退後、4年間の引きこもりニート、家電販売員を経て仲間と起業。現在年商146億円、Financial Times「アジア太平洋地域急成長企業ランキング 未上場日本一」、「ベストベンチャー100」受賞、経済産業省選定「地域未来牽引企業」、11事業すべて黒字化、新卒500人採用、創業以来18年連続増収増益を果たした。また、素人ながら化粧品開発に取り組み、あの資生堂を抜き、アマゾン年間売上1位となった注目の経営者でもある。まさに人生を大逆転させた元芸人社長だが、その秘密はデビュー作で一挙公開した「仲間力アップマル秘マニュアル」の6大奥義にあるという。本連載では初の著書『スタートアップ芸人』の一部を抜粋・編集しながら、「仲間力(=仲間をつくる力)」アップによる人生大逆転の法則を見ていきたい。

挫折Photo: Adobe Stock

野性爆弾に30対0!
真っ赤に染まった観客席の衝撃弾

 2000年、僕の芸人人生に終止符を打つ事件が起きた。

 僕のコンビは吉本若手の大会で決勝戦まで進んでいた。

 NSC13期から20期が出場したトーナメントで、僕は準決勝で勝ったとき、「優勝できる」と思った。

 決勝まで一番いいネタを温存できていたからだ。

 普段はライバル心をぎらつかせている同期全員が「勝てよ」と声をかけてくれた。

 対戦相手は現在も大活躍中の野性爆弾

 両組のネタが終わり、すぐ審査に入った。お客さんが赤青の両面のボードを持ち、「野性爆弾がいい」と思ったら赤を、「プルジェリがいい」と思ったら青を舞台に向ける。

 結果は、観客席が真っ赤に染まった

 僕はこのときの光景を今でもときどき思い出す。

 一番自信のあるネタを完璧にやって30対0の完敗。

 何もかも終わったと思い、潔く芸人を引退した。

強い不安や
精神的な緊張に襲われた日々

 その後、芸人仲間だった、西、市川、網野はよく僕のうちにきて、

 「いつ復帰するんだ?」

 と声をかけてくれた。

 はじめの半年くらいは

 「そのうち復帰しようと思っている」

 と言っていたが、実際には無理だと思っていた。

 まったくネタが書けなくなったのだ。

 いや実際には書こうとしたが、真っ赤に染まった観客席が頭に浮かんで心が折れた。

 西は

 「この経験は悪い出来事やない。むしろスターになるための階段やろ」

 と言ったが、僕は

 「今は無理や」

 としか言えなかった。

 仲間はやさしかったが、それ以外の人と向かい合うと、強い不安や精神的な緊張に襲われた。

 マンガやファミコンソフトの売買程度ならなんとかなったが、美容師と話をするのも怖く、髪が切れなかった

 まだネットがそれほど普及していない時代だったので、本を取り寄せたくても書店員に話しかけることすらできず、西に頼んだ。

 西たちは時折、僕を連れ出してくれた。

 釣りに行ったり、海に行ったり、夜景を見に行ったり。

「このクズ野郎、
いつになったら働くねん、ボケ」

 そのうちに年月がすぎ、髪ばかり長くなった。

 西たちは最初の1、2年は芸人としての復帰を待ち続けてくれたが、次第に社会人として働くことを勧めるようになった。

 やさしい言葉をかけてくれることもあれば、

 「このクズ野郎、いつになったら働くねん、ボケ

 と怒鳴ることもあった。

 その頃には西も市川も網野も芸人を辞め、別の仕事をしていた。

(本稿は『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』の一部を抜粋・編集したものです)