信じられないかもしれないが、ジョー・バイデン米大統領の再選の可能性をインフレよりも大きく損ないかねない問題がある。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の最新の世論調査によると、来年の大統領選挙における最大の争点として移民問題を挙げた回答者の数は、インフレと答えた人の2倍に上った。国境管理に関するバイデン氏の不支持率は支持率を37ポイント上回った。インフレに関してはその差は36ポイントだった。
大して慰めにはならないが、バイデン氏には仲間がいる。移民の急増は世界的な現象となっている。密入国あっせん業者の助けを借りるなどして、逼迫(ひっぱく)する労働市場に出稼ぎ労働者が引き寄せられている。米国のように長年、大量の移民を受け入れてきた国々では、この問題は現職の首脳にとって政治的な悩みの種となっている。