頭上の照明や大音量の音楽、通路にいる大勢の人。自閉症や感覚過敏の人々にとって、とりわけ休日の買い物は耐えがたいものになる。「刺激が強過ぎるものがたくさんある」。米アリゾナ州フェニックス郊外に住む自閉症の看護学生タニア・ガルシアさん(32)はこう話す。数多くの照明やBGMやさまざまな掲示のことだ。ガルシアさんは店内で混乱状態に陥ると店から出てしまう。「私はそういう状態に対処できない」  米小売り最大手のウォルマートは、感覚過敏の人が来店しやすくするために、11月から米国内の店舗でそうした人々に配慮する時間帯を設けた。来店客の数が比較的少ない午前8時から同10時まで、照明の明るさを落とし、ラジオの音声を切り、テレビ画面に静止画像を映している。