「阪神・日本一→日銀の金融政策激変」の歴史再び?38年前との意外な共通点の数々とはPhoto:PIXTA
*本記事はきんざいOnlineからの転載です。

 阪神タイガースが初めて日本一になった1985年は、バブル景気のきっかけとなった年だった。2度目の日本一を達成した2023年が、賃上げやDX投資などを通じて、デフレ経済から完全脱却するきっかけの年であったと後年振り返りたい。本稿では「トラキチ」と「アレ」が流行した両年の経済状況などを比較する。

阪神タイガース38年ぶりの日本一

「SMBC日本シリーズ2023」は59年ぶりに関西球団同士の対決となった。第7戦までもつれ込む熱戦が続き、4勝3敗で、18年ぶりにセ・リーグを制した阪神タイガースが、2年連続日本一を狙ったオリックス・バファローズを下し、38年ぶり(2リーグ制後では)2回目の日本一になった。

 試合後のインタビューで阪神の岡田彰布監督は「何とか達成できたんでね、アレのアレを。今年一年を、本当にいいかたちで終われて、これは本当にファンのおかげだと思うので、本当にありがとうございました」とファンと喜びを分かち合った。

 前回の日本一の時は、3番ランディ・バース、4番掛布雅之に続く5番でクリーンナップを任されていた岡田監督は「ちょうど27歳だった。前回の日本一の時に。長かったですね」と、38年の歳月を経て、選手と監督両方で日本一を達成できた喜びを感慨深げに語った。

 38年前の1985年に、初の日本一になった時は、吉田義男監督で、西武ライオンズを4勝2敗で退けた。この時は西武球場での監督胴上げ、今回も京セラドームでの胴上げとなったので、実は2リーグ制後に甲子園球場での日本一の胴上げは行われていない。3度目の正直に期待しつつ、以下では、85年と2023年の経済状況などを比較し、共通点を探ってみたい。