【鉄則】習い事が上達するゴールデンタイムは「12歳まで」な理由〈教育専門家が解説〉写真はイメージです Photo:PIXTA

「12歳までに習い事で突き抜けることができた子は中高も伸びやすい」そう語るのは、日米で学習塾を経営し25年間で延べ5000名以上のバイリンガルを育成しているTLC for Kids代表の船津徹氏。「こんなにも具体的で内容が詰まっているものは初めて!」「目からウロコ」と子育て世代に話題の新刊『「強み」を生み出す育て方』の中から、25年間の塾経営で見つけた【習い事のゴールデンタイム】をお届けする。

習い事は「12歳まで」に突き抜けろ!

「1万時間の法則」をご存じでしょうか。いかなる分野においても卓越した技能を習得するまでに1万時間かかるという説です。

「1万時間」の根拠はフロリダ州立大学のアンダース・エリクソン教授の研究です。彼は世界トップレベルの音楽学校でバイオリンを学ぶ学生たちを対象に、彼らの能力差が何によって生まれているのかを調査しました。

 その調査報告で「卓越した技術の習得は1万時間以上の計画的練習の成果だ」とエリクソン教授が述べたことで、「プロになるには1万時間」という法則が世界中に広がりました。

 1万時間を達成するには、毎日1時間練習して27年、毎日2時間でも14年弱かかります。確かに、プロレベルの「卓越した技能」を習得するにはそのくらいの時間を要するかもしれませんが、普通の人が目指す上では現実的な数字ではありません。

 実はエリクソン教授は別の研究で、練習方法を工夫すれば(普通の人が目指す)高いレベルの専門性の習得に必要な時間は「1万時間よりもずっと少ない」とも述べています。

 私の経験からいえば、スポーツ、音楽、語学などの技能習得は「2000時間」を目安にすると頭一つ突き抜けることができます

 私の専門である英語も同様で、約2000時間の「計画的な学習」を積むことで英語が「そこそこ」流ちょうに扱えるようになります。英語技能でいえばCEFR B2(英検準1級レベル)です。これを超えると、さらに上のレベル(英語圏の大学への留学や、英語で仕事をするなど)が視野に入ります。

 長期的なゴール設定で最初に考えるべきなのが、上級者になる登竜門である2000時間を「いつまでに達成するか?」です。2000時間の達成には、毎日1時間練習して「5年半」かかります。たとえば、スポーツに従事している子が高校でインターハイ出場を目指すのであれば、それ以前の「中学生までに」2000時間を達成し、頭一つ突き抜けていなければなりません。

 私の個人的なおすすめは、いかなる分野の習い事でも「小学校高学年から中学生までに2000時間達成を目指す」ことです。

 もちろん何歳からでも2000時間達成を目指すことはできますが、時間的に余裕があり、やる気が高い児童期(12歳まで)に頭一つ突き抜けられると、中学・高校時代にさらに高いレベルに到達できる確率が飛躍的に高まります。だから、習い事伸ばしのゴールデンタイムは12歳までなのです。

「わが子にピッタリの習い事を詳しく知りたい!」という方のために、著書『「強み」を生み出す育て方』ではオリジナル診断を掲載しています。気質×才能の25タイプ別診断で「わが子にピッタリの習い事」がカンタンに分かります!

子育て成功のカギは「強み育て」にある

【鉄則】習い事が上達するゴールデンタイムは「12歳まで」な理由〈教育専門家が解説〉「強み」を生み出す育て方』 (船津徹・ダイヤモンド社)定価:1980円(税込)

 子どもが社会の変化に翻弄されずに、自分らしく幸せに生きていくには、失敗や挫折に負けない「たくましさ」を確立しなければなりません。一生ものの武器になるたくましさですが、どのように育てれば良いのでしょうか?

 たくましさが育つ要因は、家柄、血筋、遺伝ではありません。もちろん親の学歴や職業も無関係です。「子どもの潜在的な強みを引き出すこと」でたくましさは育つと断言できます。

 つまり、子育てで最優先すべきは「強み育て」なのです。強みは、音楽でもスポーツでも勉強でも、なんでもいいのですが、習い事は強みを育てる最高のチャンスになります!だから習い事選びは「子育て成功」に直結するのです。