日本人が意外と知らない「伊勢神宮」と「出雲大社」二大神社の違い伊勢神宮内宮(左)と出雲大社 Photo:PIXTA

もうすぐ2024年。日本人にとっては年明けといえば初詣ですよね。地元の神社へ参拝される方もいれば、一年の最初ということで伊勢神宮や出雲大社へ参拝する、という方もいるでしょう。しかし日本の二大神社であることは知っていても意外と知らないことも多い……。そこで今回は駒澤大学の瀧音能之教授の新刊『図説 ここが知りたかった! 伊勢神宮と出雲大社』(青春出版社刊)から二大神社の違いについて抜粋して紹介します。

対照的ともいえる日本の二大神社

 全国に約8万社存在するといわれる日本の神社のなかでも、三重県伊勢市に鎮座する伊勢神宮と、島根県出雲市に鎮座する出雲大社は、その代表格として挙げられる。

 伊勢神宮は「お伊勢さん」の愛称で親しまれるが、成り立ちとしては古代日本に君臨したヤマト政権が奉じた。皇祖神(こうそしん)アマテラス大神(おおみかみ)を祀(まつ)るがゆえに最も格式の高い神社とされ、内宮と外宮に分かれる。五十鈴川の川上に鎮座する内宮はアマテラス大神を祀り、山田原に鎮座する外宮は食物の神トヨウケ大神を祀る。両宮にはそれぞれ別宮、摂社、末社、所管社など125の宮社が付属しており、それらの総称が伊勢神宮でもある。