推古天皇以降の名前しか
教えない最近の教科書
世界を相手に活躍するビジネスマンなら、自分の国の歴史とか文化についてうんちくくらい語れないと少し恥ずかしい。しかも、単に知識があるというだけでなく、外国人から「一目置くべき人だ」と評価されるような内容を語るべきだ。
ところが、戦後の歴史教育は、日本人に戦前を反省させ、国民に「日本は他の国より優れてる」とは考えさせないことを目指してきた。だから、日本人は相当立派な学歴の人でも、自国の歴史を誇らしく語ることができない。
その反動なのか、作家の百田尚樹氏の『日本国紀』といった本が人気を集めたりするのだが、そこで語られるような国粋主義的な歴史観は、外国人、特にリベラルな傾向の人からは歴史修正主義というありがたくないレッテルを貼られる覚悟が必要なものだ。
私が歴史家として心がけているのは、外国人を納得させられるぎりぎりの線まで、日本の国益や誇りを追究することであり、それはフランスでの留学・勤務時や、中国や韓国の担当課長として外交交渉した時期などに、試行錯誤してたどり着いたものだ。
今回は「日本の国と皇室の始まりをどう説明すべきか」をテーマに考えてみたい。