長期投資Photo:PIXTA

インフレが進む中、資産を守るために株や債券、金などさまざまな金融商品に分散して投資をしようと考える人が少なくありません。しかし、過去のデータを見ると、超長期で投資をするなら「株一択」であることが分かります。知っておきたい「超長期投資の鉄則」とは。(アレース・ファミリーオフィス代表取締役 江幡吉昭)

200年間で
株・国債・金の価値はどう変わった?

 30年にわたるデフレが終わり、インフレ下における投資の必要性を認識する人は増えているようです。「投資の勉強をし始めた」といった話をよく聞きます。

 そのような投資初心者は、軽く読めるお手軽なハウツー本に手を出しがちです。そういった初心者向けの本も悪くないですが、私は少し投資用語が分かったくらいの段階で、なるべく早く投資に関する名著(取っ付きづらいですが)を読んだ方が、さらに自分のためになると考えています。

 投資に関する名著に、米ペンシルベニア大学のジェレミー・シーゲル教授が書いた『株式投資』(日経BP)があります。この本は、1801年から2006年のなんと200年間にわたる超長期にわたって株や債券、金やドルがどの程度上昇したのかを豊富なデータで検証しています。10年、20年という中長期の期間であれば、皆さんご存じの通り、株式投資は非常に優位性が高いです。

 それでは、200年にわたる超長期ではどのような結果になるのでしょうか。