いわゆる「悲惨指数」によると、米国人はそれほど惨めではないはずだ。彼らは最近になってようやくそれに気づき始めたのかもしれない。米経済学者アーサー・オークンが考案した悲惨指数は、失業率とインフレ率を単純に足し合わせたものである。悲惨指数が知られるようになったのは、1976年の米大統領選で民主党から出馬したジミー・カーター氏が、現職のジェラルド・フォード大統領の続投を防ぐために同指数が高水準であると強調したことがきっかけだった。だが、カーター氏も同じ苦しみを味わうことになる。大統領に就任したカーター氏が1980年に再選を目指して共和党のロナルド・レーガン氏と対決したとき、悲惨指数はさらに高くなっていた。