アップルは、発売から9年たつ「アップルウオッチ」をぜいたくな腕時計から究極の万能医療機器へと変貌させる取り組みを拡大している。これは、実入りはいいかもしれないが、法的リスクも高い領域に参入することにもなっている。今月アップルウオッチの一部機種が販売停止された一件は、世界で最も価値の高いハイテク企業が端末に医療機能を加える中で、新たな領域に足を踏み入れていることを端的に示す兆候だ。アップルは27日、販売を再開するための一時的救済措置を勝ち取ったが、医療機器の専門家は技術的・法的な難題が続く可能性が高いとみている。アップルは長年、心房細動や転倒、血中酸素濃度など命に関わる可能性のある健康問題を監視する機能を加えてウオッチを強化し、高齢化社会に向けてその魅力を高めてきた。